相場は、時期によって値動きに特徴があると言われます。
アノマリーとも呼ばれます。
アノマリー
効率的市場仮説では説明のつかない証券価格の変則性。明確な理論や根拠があるわけではないが当たっているかもしれないとされる相場の経験則や事象である場合が多い。
引用:野村證券
今回は、アノマリーのひとつである
夏枯れ相場(8月)
について書いていきます。
夏枯れ相場(8月)とクリスマス相場(12月)
相場で勝つには、相場が大きく動く必要があります。
逆に、相場が動かない時期は勝ちづらいです。
相場が動かない時期の代表として
夏枯れ相場(8月)があります。
夏枯れ相場
夏になるとお盆休みなどで市場参加者が減るため株式市場の取引高が減少し、相場があまり動かなくなること。また、夏枯れ相場の一番安値のことを「夏底」という。
引用:野村證券
それに加え、12月は”クリスマス相場”と呼ばれ
相場が動かない時期であると言われています。
確かに、8月と12月は動かない印象があります。
動かないならトレードは控えるべきですが、
本当にそうなのでしょうか?
過去の値動きを調べてみました。
調査方法
調査通貨ペア
ユーロドル・ドル円・ポンド円
調査期間
1993年~2019年の26年間
※ユーロドルのみ2003~2019の16年間
調査方法
変動率 = 日中最高値 ÷ 日中最安値
上記の計算で変動率を見る
例)
日中高値が101円、日中安値が100円の場合
101(日中高値)÷100(日中最安値) = 1%
この場合の変動率は1%とする。
調査結果
”変動率の高い月”順で並べました。
【ユーロドル】
変動率高い 1月・6月・11月
変動率低い 7月・4月・8月
【ドル円】
変動率高い 9月・3月・1月
変動率低い 12月・11月・5月
【ポンド円】
変動率高い 9月・10月・1月
変動率低い 12月・7月・8月
こう見ると、やはり8月と12月は変動率が低くそうです。
3通貨ペアの変動率の平均をとってみました。
3通貨ペアの平均変動率 | |
1月 | 1.007807 |
9月 | 1.001152 |
10月 | 0.989569 |
3月 | 0.988155 |
6月 | 0.974542 |
2月 | 0.960975 |
11月 | 0.938162 |
5月 | 0.934497 |
8月 | 0.927427 |
4月 | 0.926435 |
7月 | 0.906698 |
12月 | 0.877848 |
表にしました
こうしてみると、
7月8月は明らかに他の月に比べて変動率が落ちています。
夏枯れ相場は当てはまりそうです。
12月のクリスマス相場も一年のなかで一番変動率が低いです。
クリスマス相場は顕著に当てはまりました。
4月も値動きが悪いです。
まとめ
相場の動く傾向として、
秋と冬に動きやすく、春と夏は動きずらそうです。
そして、夏枯れ相場は確かに存在しました。
夏枯れ相場は8月というよりも、
7月8月と捉えた方がよさそうです。
日本にはお盆休みがあるので、株なら理解できます。
しかし、為替市場でも夏枯れは存在します。
理由としては、海外投資家の夏のバカンスが考えられます。
また、12月の年末も動きずらいのが顕著です。
これは年末年始の休みが影響しています。
そして、4月も値動きが悪いです。
これはイースターの影響だと思います。
このように、アノマリーはやはり存在しました。
今は7月ですが、
事実として7月8月は動きずらい傾向がでているので、
それに留意してトレードしていきましょう。
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