トレードにはがっちりとしたマニュアルはありません。
自分で考え・検証する必要があります。
また、トレードに限らず
お金が絡む事柄は詐欺が多いです。
自分で考えない人はカモにされます。
どうすれば自分で考えられるようになるのか?
今回は、
「自分のアタマで考えよう」 ちきりん著
を紹介します。
「自分のアタマで考えよう」 ちきりん著
この本は、ちきりんさん流の
”考えるための方法論をまとめた本” です。
知識と思考の違い
知識:
過去の事実の積み重ね
もともと知っていること
思考:
目の前の情報を常にゼロから考える事
未来に通用する理論
自分では思考したつもりでも、実は以前から知っていた知識だった
ということがよくあります。
知識と思考を区別することが大切です。
考えるための方法論・テクニック
1、「決めるプロセス」を最初に決める
考えるとは、インプット(知識)をアウトップ(結論)に変換するプロセスです。
情報を集める=考えている、ではありません。
会議でなかなか物事が決定しないのは、
情報だけ集めて、考えていないからです。
”作業(情報集め)”と”考える”を混同しないことが大切です。
2、なぜ?だから何なの?と問う
分析するデータを見て考えるのは、
”なぜ?”と”だから何なの?”
なぜ?:
データの背景を探る行為
だから何なの?:
データから予測して、次に何が起こるか考える行為
例) 日本では少子化が進んでいる
なぜ?
1、なぜ戦後すぐは出生数が多いのか?
2、なぜそのあと急激に落ち込んだのか etc
だから何なの?
1、出征数が減ると問題なのか?
2、どのような問題が発生するのか? etc
このように、なぜ?だから何なの?を使うと
データの理由と、それがもたらす影響を考えることが出来ます。
3、あらゆる可能性を検討する
考える際にモレがあると、正しい結論にたどり着けません。
そんな時は分散図を使います。
例)トレードで稼ぐ
このように要素に分解することによって、検討すべき項目のモレをなくします。
4、縦と横で比較する
考えるときの基礎は、比較です。
比較には縦と横の2種類あります。
時系列的比較(縦):過去・現在・未来を比べる
他社比較(横): 他のものと比べる
例)あるトレード手法
時系列的比較(縦):
17年は使えたが、18年は使えるか?
他社比較:
ドル円では使えたが、ユーロ円では使えるか?
株式市場では使えるか?
5、判断基準をシンプルにする
その原因は選択肢が多いからではなく、
自分の判断基準が多すぎるからです。
判断基準に優先順位をつけシンプルにすることで解決します。
例)トレードの判断基準
勝率が欲しい、損益率を高くしたい、
毎日稼ぎたい、短期間で稼ぎたい
↑これらをすべて満たすのは不可能です。
トレードの判断基準は、
最終的にどれだけお金が増えるか?にすべきです。
6、レベルをそろえて考える
考えるときに、比較対象のレベルが違うと話がかみ合いません。
話のレベルをそろえる必要があります。
例)トレードの損切り幅
-50pipsの損切り幅は、
スキャルピングには損失が大きく感じ
スイングトレードではそうでもありません。
自分の立ち位置を認識することが大切です。
7、情報ではなくフィルターが大事
情報量が大事なのではなく、
それを取捨選別する自分のフィルターが大事です。
5、判断基準をシンプルにすると似ていますが、
判断基準はシンプル、かつ、自分独自である必要があります。
スキャルピングとスイングのトレーダーでは
おのずとフィルターは違ってきます。
8、データはとことん追い詰めよう
一見、正しそうに見えるデータでも、
よく見るとおかしな時があります。
トレードで典型的なのは、マーチンゲールを使った手法です。
マーチンゲールを使った手法はよく勝ちますが、
最終的には破産します。
ループイフダンが典型例です。
9、グラフの使い方が思考の生産性を左右する
データを羅列したものより、グラフ化した方が状況がつかみやすいです。
エントリー回数: 108回
勝ちトレード: 51回
負けトレード: 57回
勝率: 47%
平均利益: 73.3pips
平均損失: 69pips
プロフィットファクター: 0.95
獲得pips: -196pips
以上が検証結果ですが、
これをグラフ化すると↓になります。
グラフ化したことで、損益が横ばいな事が分かりやすくなります。
また自分の思考をグラフ化することもおすすめです。
思考のグラフ化は細部まで考える必要があるので
思考の抜け落ちた部分がわかり、具体性も増します。
まとめ
論理的に考えるとは何なのか?
普段は意識しないで考えているけど、
それは本当に考えているのか?
ちきりんさんの場合、
1日4時間考えるのが限界だったそうです。
それだけ自分の力で考えるのはしんどいことです。
しかし、しんどい先にはリターンが待っています。
紹介されたさまざまな方法を使いながら、
これからも自分のアタマで考えていきます。
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