FXは外国為替証拠金取引の略ですが、
全世界の為替はどれくらいの規模・取引量があるのでしょうか?
調べてみました。
国際決済銀行(BIS)のレポート
国際的な規模で行われている調査としては、
【国際決済銀行(Bank for International Settlements、通称BIS)】
がまとめているレポートがあります。
3年ごとにレポートが出されるので、これを参考にします。
外国為替(FX)市場での取引は、2016年4月では1日あたり平均5.1兆ドル。
2013年4月の5.4兆ドルから減少していますが、長期的には増加傾向です。
2001年 | 2004年 | 2007年 | 2010年 | 2013年 | 2016年 | |
一日当たりの取引量(10億ドル) | 1,239 | 1,934 | 3,324 | 3,973 | 5,357 | 5,067 |
為替市場は1日で5.1兆ドル(約510兆円)の取引が行われています。
ちなみに2019年上半期の東証市場第一部の1日平均売買代金は、2,5兆円。
為替全体の20分の1です。
どれだけ為替市場が巨大なのかが分かります。
取引通貨の割合
通貨ペア別の取引割合
取引通貨別の割合を表にしました。
2010年 | 2013年 | 2016年 | ||||
通貨ペア | 取引高 | シェア | 取引高 | シェア | 取引高 | シェア |
USD/EUR | 1,098 | 28% | 1,292 | 24% | 1,173 | 23% |
USD/JPY | 567 | 14% | 980 | 18% | 902 | 18% |
USD/GBP | 360 | 9% | 473 | 9% | 470 | 9% |
USD/AUD | 248 | 6% | 364 | 7% | 266 | 5% |
USD/CAD | 182 | 5% | 200 | 4% | 218 | 4% |
USD/CHF | 166 | 4% | 184 | 3% | 180 | 4% |
USD/その他 | 749 | 19% | 1,169 | 22% | 1,248 | 25% |
EUR/GBP | 109 | 3% | 102 | 2% | 100 | 2% |
EUR/JPY | 111 | 3% | 148 | 3% | 79 | 2% |
EUR/CHF | 71 | 2% | 71 | 1% | 44 | 1% |
EUR/その他 | 162 | 4% | 177 | 3% | 196 | 4% |
その他のペア | 149 | 4% | 196 | 4% | 212 | 4% |
合計 | 3,981 | 100% | 5,345 | 100% | 5,088 | 100% |
【出典:国際決済銀行(BIS)】
基軸通貨であるドルが絡んだドルストレートで9割
残りはユーロがらみの取引です。
通貨ペアで見ると、やはりユーロドルの取引量が最も多く、
1⽇の平均1兆1,713億⽶ドル(約117兆円)にもなります。
ドル円の取引量は9,020億⽶ドル(約90兆)と、こちらもかなりの大きさです。
逆に、日本人に人気なクロス円の取引は、
ユーロ円で790億ドル(約8兆)とかなり少ないです。
ポンド円に関しては見当たりません。
なぜなら、ユーロ円・ポンド円などのクロス通貨は、
いったん米ドルを仲介して取引される為です。
例)100万円持っていて「ポンド円を買いたい」という場合
(ドル円=100円 / ポンドドル=1.3)
1、まず円を売って米ドルを買い
(100万円→1万ドルに交換)
2、買った米ドルを売ってポンドを買う
(1万ドル→130万ポンドに交換)
3、結果、100万円が130万ポンドになる
というお金の動きが発生しています。
【計算式】
ドル円(100) × ポンドドル(1.3) = 130
市場別の割合
為替取引がどの市場で行われているか、表にしました。
2010年 | 2013年 | 2016年 | ||||
地域 | 取引高 | シェア(%) | 取引高 | シェア(%) | 取引高 | シェア(%) |
イギリス | 1853.6 | 36.8 | 2726 | 40.8 | 2426.1 | 37.1 |
アメリカ | 904.4 | 17.9 | 1262.8 | 18.9 | 1272.1 | 19.4 |
シンガポール | 266 | 5.3 | 383.1 | 5.7 | 517.2 | 7.9 |
香港 | 237.6 | 4.7 | 274.6 | 4.1 | 436.6 | 6.7 |
日本 | 312.3 | 6.2 | 374.2 | 5.6 | 399 | 6.1 |
出典:国際決済銀行(BIS)
FXが動くメイン時間は、ヨーロッパ時間といわれるように
イギリス市場のシェアが一番高いです。
以上の事から、
為替市場はドルを絡めたドルストレートが基本となっていて、
ヨーロッパ時間帯に取引が活発になることが分かります。
FX取引をする時に、仮にクロス円だけ取引するにしても、
ユーロドル・ドル円・ポンドドルなどドルストレートの動き方と、
ヨーロッパ時間の動き方を注視する必要があります。
クロス円を取引するにしても、3通貨ペアを見る必要があり、
これがトレードでモニターがたくさん必要になる原因です。
モニターはたくさん用意しましょう。
私のトレード環境↓

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